文献詳細
小さな工夫
文献概要
近年,上部尿路疾患に対する内視鏡的手術の普及はめざましく,尿路結石ばかりでなく,尿路上皮腫瘍,尿管狭窄症などにも適応が拡大されている。多くの上部尿路狭窄症には拡張バルンカテーテルを用いた拡張術が奏功するが,先天性腎盂尿管移行部狭窄症には無効の場合が多い。最近,経皮的腎孟切開術の有用性が報告され1),各社より硬性腎盂鏡に使用できる切開刀が市販されている。しかし,これらはいずれも硬性の切開刀で,両端刃のものは単一の切開が比較的困難で複数の切開部を作り,本法のポイントのひとつである栄養動脈の温存ができなくなるばかりでなく,周囲組織の損傷,尿管の断裂などの合併症を生ずる危険性も予測される。
そこでわれわれは狭窄部に通したガイドワイヤーと同軸性に使用できる軟性切開刀を試作し,臨床的に極めて有用であると考えられたので紹介する。これは内径0.9mm,外径2mmのスプリングワイヤーに半円弧状の切開面を有する替刃を接合したものである。さらに鉤型切開刀をスプリングワイヤーの先端より2cmの位置につけ,より簡便かつ確実な切開が可能となるものも試作した(第1図)。またスプリングワイヤーに目盛りをつけることにより,術前に計測された狭窄部の長さに合わせた有効な切開を行うことができる。
そこでわれわれは狭窄部に通したガイドワイヤーと同軸性に使用できる軟性切開刀を試作し,臨床的に極めて有用であると考えられたので紹介する。これは内径0.9mm,外径2mmのスプリングワイヤーに半円弧状の切開面を有する替刃を接合したものである。さらに鉤型切開刀をスプリングワイヤーの先端より2cmの位置につけ,より簡便かつ確実な切開が可能となるものも試作した(第1図)。またスプリングワイヤーに目盛りをつけることにより,術前に計測された狭窄部の長さに合わせた有効な切開を行うことができる。
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