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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科41巻2号

1987年02月発行

手術手技

腎部分切除術

著者: 増田富士男1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.105 - P.112

文献概要

 腎部分切除術は単腎の腫瘍,結石,感染,外傷,血管疾患などに施行されるが,病巣が腎の一部に限局しており,これを摘出することにより,治癒がえられる場合に適応となる。
 上極または下極の腎部分切除術は,ギロチン切除guillotine resection(transverse resec-tion, plane resection)か,楔状切除wedge resectionが行われる14)。中部の病巣に対しても両者の術式が施行されるが,必ずしも容易ではない。enucleationは腎のどの領域に対しても容易に行いうる部分切除術であるが,皮質の限局した腫瘍が適応となるのみである。腎部分切除術はどのような術式で行つても,その原則は,1)早期に腎血流をコントロールし,2)腎切断面の止血を確実に行い,3)腎盂腎杯の閉鎖を完全に施行することである。
 腎の上極または下極の病巣に対して,私が行つている腎部分切除術の術式について主に述べるが,腎の切除はギロチン法で平らに行い,切断面は腎被膜などでおおわず,露出したままにしておくのが,腎機能の障害や術後合併症を予防するうえで,最もよいと考えている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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