文献詳細
原著
文献概要
前立腺肥大症による慢性尿閉は膀胱内圧と臨床経過から2型に分類できた。術前,最大静止圧が40cmH2O以上で低コンプライアンス膀胱の15例は,全例に水腎,11例に夜間尿失禁が合併していた。術後直ちに排尿状態の改善,尿失禁の消失,術後3カ月までに水腎,膀胱内圧が正常化した。一方,術前膀胱内圧が低い高コンプライアンス膀胱の4例は,残尿量は1,000ml以上あつたが,1例に水腎と尿失禁を伴つたのみであつた。水腎のない3例は,術直後は自排尿不能で排尿状態の改善に3カ月を要した。
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