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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科41巻2号

1987年02月発行

小さな工夫

精巣上体摘除術における超音波血流計の応用

著者: 山中望1 増田宗義2

所属機関: 1神鋼病院泌尿器科 2陸上自衛隊阪神地区病院泌尿器科

ページ範囲:P.149 - P.149

文献概要

 近年,化学療法の進歩や性器結核の減少により,精巣上体摘除術を行う機会は少なくなつているが,泌尿器科領域において重要な手術法であることに変わりはない。初心者には比較的難しい手術と思われるが,われわれは研修医の指導にあたり,超音波血流計を使用させて良好な結果が得られているので報告する。
 精巣および精巣上体を露出させたのち,まず,精管を剥離して切断する。次に,精巣と精巣上体との問を剥離するが,通常は精巣上体の体部から尾部,さらに頭部へと進められる。特に頭部の剥離にさいしては,精巣動脈を損傷しないように慎重に行わなければならないが,ここで超音波血流計を使用する。すなわち,直径5mmのペンシル型プローブ(付図)を精索に軽く接触させると,精巣動脈の直上では,動脈性の血流音が明瞭に聴取されるので,血流音を聞きながら精巣側までたどれば,その走行が明らかにされる。以上の操作により,精巣動脈を損傷することなく安全に剥離を進めることができる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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