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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科41巻4号

1987年04月発行

手術手技

拡大腎盂切石術

著者: 一條貞敏1

所属機関: 1福島県立医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.291 - P.298

文献概要

 腎盂切石術は腎実質を損傷せず,出血も少ないすぐれた術式であるが,腎外腎盂部の切開のみでは切開創の大きさが限られ,多発性もしくはサンゴ状結石などの大きな結石の摘出は難しい。そこで,腎洞を大きく露出,この部から腎盂を横切開,これらの結石をも十分摘出可能としたのがこの拡大腎盂切石術である。Gil Vernetにより詳しく紹介されたことからGil Vernet法,あるいは腎洞内腎盂切石術とも称される。
 すなわち,腰部斜切開にて腎に到達,腎盂後面を剥離,腎門背側の腎実質に鈎をかけ腎盂と腎実質との間を剥離して腎洞を広げる。結石の形状によつては腎杯頸部まで露出した上,腎盂を横切開,結石を摘出する。腎盂切開創はカットグッドにて結節縫合,腎を定位置に戻し創を閉じるのである。
 腎孟切開創は腎実質に覆われ止血されやすく,尿漏出は切開創に比し少ない。横切開であることから術後の狭窄も来しにくい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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