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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科41巻5号

1987年05月発行

講座 パソコンの臨床応用入門

Ⅴ.人工知能の医療への応用

著者: 中村清吾1

所属機関: 1聖路加国際病院外科

ページ範囲:P.377 - P.381

文献概要

はじめに
 最近,AI(Artificial Intelligence)という言葉が新聞などでよく見かけられるようになつてきた。AIとは,日本語に訳せば人工知能のことである。それでは,一体,人工知能とは,どのような意味であろうか。ある人は「考えるコンピュータ」などと表現することがある。すなわち,従来,コンピュータで行う作業は,処理手順を覚えこませる(プログラミング)ことにより行われてきた。単純な繰り返し作業,たとえば,円周率の計算や数多くのデータの中から必要とされるデータを迅速に検索する(データベース)などは,コンピュータの得意とする分野であつた。そこで単純事務作業の多くがコンピュータに取つて替わるようになつてきた。そうした中で,人間とコンピュータとの違いについても様々な議論がなされるようになり,知性,理性,感性(情動)といつたものが,人間に特有であるとされてきた。さて,その中で知性(知能)とはなにかというと,学習により蓄えられた知識(経験)を利用し,新たな問題を解決したり,結果を推理したりする能力のことを意味する。すなわち,高い所の物を取るのに,イスや踏み台を利用したり,チェスや囲碁で,あるパターンで負けたら,次は異なつたパターソで勝負するなどである。この人間の人間たる故であつた知能を,コンピュータ内部に実現しようというのが,人工知能である。以下に,人工知能の基本的な考え方を解説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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