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綜説
薬剤による尿路障害
著者: 大橋和史1 阿曽亮子1 角尾道夫1
所属機関: 1日本医科大学臨床薬理センター
ページ範囲:P.457 - P.468
文献購入ページに移動副作用の発生は一般に二つの型がある1)。ひとつは本来の薬理作用に基づく反応であり,もうひとつは薬理作用から推定できない"奇異"な反応である(第1表)。前者はタイプAと呼ばれ,投与量が大き過ぎたり,腎不全などで薬物排泄が障害され薬物の血中濃度が異常に高まつた時に生じる過大反応で,予測可能であり,休薬により回復する。一方,後者はタイプBと呼ばれ,アナフィラキシー,特異体質として扱われる反応,臓器毒性,催奇形性,発癌性など,本来の薬理作用と関係なく発生する反応で,一般に重篤であり,かつ予測不可能である。
医薬品の使用による副作用は医薬品の使用頻度が高ければそれに従つて増加するのが普通である。更に今日のように多剤投与が行われると,その発現の様相はますます複雑となり,その因果関係や副作用のタイプは不明な点が多くなる。しかし,その基本は上述のごとくである。
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