文献詳細
手術手技
文献概要
膀胱尿管逆流防止術には多くの方法があるが,Politano-Leadbetter法1)が手技の簡明さと成功率の高さから,最も多く採用されてきた。しかしこの方法では,尿管が新たに膀胱に侵入する部で,尿管の屈曲を来し,頻度は低いものの狭窄を起こす点が問題であつた。Cohen法2)は,粘膜下進展法の一種であるが,尿管の屈曲の問題を解消し,手技が単純で十分長い粘膜下トンネルを確保でき,成功率も高いため3,4),現在は逆流防止術の主流であると思われる。しかし,両側の逆流防止術を行うときは,—方の粘膜下トンネルが少し短くなり,また内尿道口に近くなるので,新尿管口の吻合固定が手技的に難しくなるなどの欠点がある。このためBeurton法5),crossover method6)などの変法を採用することも必要である。また将来,尿管結石などに対し内視鏡的処置ができないことも問題である。
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