文献詳細
Urological Letter・430
文献概要
35歳の内科医が日中睾丸痛が起こると訴えて来た。抗菌剤と消炎剤を多量に用いたが効果がないという。前立腺を含めていろいろの検査を何回か繰り返したがいずれも正常範囲内であつた。最後に,どうして日中働いている時よりも夜間の方が良好なのかを調べることが必要になつた。患者自身,鏡の前に立つて,彼の大腿が非常に肥つていること,パンツがとてもきついこと,ならびに後のポケットに膨らんだ札入れを入れていることに気がついた。それらの諸事実の重なり,ことに後のポケットの膨らんだ札入れが,睾丸や精索をしめつけているパンツを大腿に引きつけていること,さらにまた,日中彼は腿を組んで坐ることによつてしばしば増強されたのである。その後彼は体重を減らし,札入れの内容を少なくしている。それ以来,彼の睾丸痛は治つたのである。
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