臨床泌尿器科42巻1号

1988年01月発行

症例

片側性嚢胞腎

著者： 米田勝紀¹ 加藤広海² 斎藤薫² 山川謙輔³ 杉村芳樹³ 栃木宏水³

所属機関： ¹社会保険羽津病院泌尿器科 ²中勢病院泌尿器科 ³三重大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲：P.55 - P.57

文献概要

　症例は56歳男性，主訴は左上腹部不快感。右腎は正常であったが，左腎は多発性の嚢胞を認めた。肝胆膵には異常は認めなかった。レノシンチで患側腎の機能低下を認め，腎摘出術を行い病理学的に成人型嚢胞腎と同一所見であるとの診断を得た。本例を片側性成人型嚢胞腎とするのか，またはまったく別の疾患であるのか結論はだせず，多発性腎嚢胞との鑑別について検討を加えた。本邦ではこのような症例は未報告で第1例目と考えられた。