icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科42巻10号

1988年10月発行

原著

骨盤内悪性腫瘍による腎後性腎不全に対する経皮的腎痩術の検討

著者: 田代和也1 鳥居伸一郎1 望月篤2 川島禎男2 上田正山2 町田豊平2

所属機関: 1神奈川県立厚木病院泌尿器科 2東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.891 - P.894

文献概要

 骨盤内悪性腫瘍による腎後性腎不全の解除を目的とした開放性手術による尿路変更術は,合併症が多く,死亡率が高かった。今回,32例の腎後性腎不全に対し経皮的腎瘻術で治療したので報告する。32例の転帰は,4例が5〜13か月(平均10か月)で生存中であり,28例が0〜17か月(平均4.2か月)で死亡した。死因は手術死が5例(16%)と減少した。しかし,残りは全例癌の進展によるものであった。生存期間の長さは,腫瘍の進行度と腎瘻造設時の全身状態が大きく影響したが,血清クレアチニン値や腫瘍の病歴の長さは関連がなかった。合併症は,カテーテルの自然抜去が19%,輸血を必要とした出血が9%,播種性血管内凝固症候群が6%と減少していた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら