文献詳細
交見室
文献概要
尿管皮膚瘻術のネラトン交換のトラブルがもとで菌血症を起こし,一人の患者を亡くしました。"二丁拳銃"などと洒落にもならぬ俗称をされていた,入局間もない1966年頃のことです。昨今の尿路変更術の進歩,とくにコックパウチの普及と機能の素晴らしさを見聞するにつけ,まさに昔日の感ありです.
コックパウチがわが国でも俄然注目されたのは,1982年J.Urol.に掲載された論文以来と思いますが,ご承知のように,コック博士は犬を用いた基礎研究データのまとめとともに,すでに1978年Scand.J.Urol.Nephrol.誌上で3例の臨床成績を報告しています。しかもその数年前からいくつかの基礎実験成績や臨床応用の報告も見られます。ただ1978年の報告にくらべJ.Urol.掲載論文のインパクトが強烈であったのは,報告された症例数の差やその内容のみからでなく,掲載誌の影響度(インパクト・ファクタ)が大きく作用したことは否定されません。もし最初の報告がJ.Urol.でなされていたら,コックパウチの今日の隆盛はもう少し早かったか…などと思われます。
コックパウチがわが国でも俄然注目されたのは,1982年J.Urol.に掲載された論文以来と思いますが,ご承知のように,コック博士は犬を用いた基礎研究データのまとめとともに,すでに1978年Scand.J.Urol.Nephrol.誌上で3例の臨床成績を報告しています。しかもその数年前からいくつかの基礎実験成績や臨床応用の報告も見られます。ただ1978年の報告にくらべJ.Urol.掲載論文のインパクトが強烈であったのは,報告された症例数の差やその内容のみからでなく,掲載誌の影響度(インパクト・ファクタ)が大きく作用したことは否定されません。もし最初の報告がJ.Urol.でなされていたら,コックパウチの今日の隆盛はもう少し早かったか…などと思われます。
掲載誌情報