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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科42巻4号

1988年04月発行

文献概要

手術手技

前立腺全摘除術

著者: 北島清彰1 仲野智1 岡田清己1

所属機関: 1日本大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.305 - P.311

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 本邦における前立腺癌の治療は抗男性ホルモン療法が主力となっている。この理由として,1)受診時にすでに転移が認められる,2)ホルモン療法で寛解が得られる,3)手術が難しく術後の合併症が多い,ことが考えられる。これに対し1)特異的腫瘍マーカー(prostatic acid phosphatase,r-seminoprotein, prostatic specific antigen)の発見,2)経直腸式超音波断層法,computed tomographyなどの画像診断の進歩,3)前立腺癌に対する認識の高まりと老人検診システムの充実,など前立腺癌の診断の進歩は著しく,根治手術可能な患者が多く発見されはじめた。著者らの施設ではstage AからB,摘出可能なstage Cの前立腺癌に対して積極的に根治手術を行っている。癌手術の原則は根治性にあり,従来は癌組織の残存がないようにでき得る限り遠位側から一塊として病巣を摘出する方法がとられてきた。最近になり癌手術の際の機能保存が問題となってきている。ここではわれわれが主として行っている順行性恥骨後式前立腺全摘出術1)と勃起に関係のある海綿体神経を保存する術式2,3)(神経保存前立腺全摘出術)について説明する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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