文献詳細
原著
文献概要
恥骨後式前立腺全摘除術の際の出血量の減少,術後尿失禁の防止に関して,二,三の工夫を行った。出血量の減少のためには,内腸骨動脈起始部にブルドック鉗子をかけ,また,陰茎根部をゴム紐で強く圧迫した。失禁防止の一助として前立腺の剥離を順行性に,前立腺と膀胱の間より始めた。両者の間を剥離するとき,膀胱頸部を保存するように行った。尿道と膀胱の吻合はVest法で行った。この方法で58〜79歳までの限局性と診断された前立腺癌患者6例の手術を行った。手術時間はリンパ節郭清,迅速病理を含めて平均4時間31分であった。出血量は平均620ml,輸血量は平均433mlであった。術後のコンチネンスは全例で保たれていた。
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