臨床泌尿器科42巻6号

1988年06月発行

症例

多房性嚢胞状腎細胞癌

著者： 小松洋輔¹ 畑山忠¹ 田中陽一¹ 伊藤坦¹ 上山秀麿¹ 鷹巣晃昌²

所属機関： ¹京都市立病院泌尿器科 ²京都市立病院臨床検査科

ページ範囲：P.537 - P.539

　腎細胞癌には多房性嚢胞状の特異な形態を呈する場合がある。自験例は51歳，男性に発生した腎癌で，病理学的に詳細に検討した結果，多房性嚢胞状腎細胞癌と診断した。この型の腎細胞癌と多房性腎嚢胞に発生した腎細胞癌との鑑別について論じて，これまでの報告には混乱があることを指摘した。