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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科42巻7号

1988年07月発行

文献概要

特集 尿失禁

切迫性尿失禁の治療

著者: 近藤厚生1 後藤百万1 斎藤政彦1 加藤久美子1

所属機関: 1名古屋大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.589 - P.593

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はじめに
 切迫性尿失禁とは,何の前触れもなく突然に強い尿意が襲い,不随意に尿が漏出する状態である。患者の多くは頻尿を同時に訴えることが多い。通常,尿道括約筋は正常に機能している。
 切迫性尿失禁は,知覚性切迫性尿失禁(sensoryurge incontinence)と運動性切迫性尿失禁(motorurge incontinence)とに区別することが出来る。前者は急性膀胱炎,膀胱結石,閉塞性前立腺症などの器質的疾患が関与し,求心路へ過剰な刺激を送信して,頻尿,切迫性尿失禁を発症させる。心身症と診断される患者の特徴は昼間,特に外出時には頻尿と切迫性尿失禁を訴えるが,就寝時にはこれらの症状が消失する点である。しかし臨床的に心身症と知覚性切迫性尿失禁とを鑑別することは困難なことが多い。尿流動態検査では膀胱容量が小さいことを除き,膀胱像,排尿筋収縮力,尿線の勢いなどはすべて正常である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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