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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科42巻9号

1988年09月発行

手術手技

後部尿道狭窄形成術—Pull-through法

著者: 折笠精一1

所属機関: 1東北大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.775 - P.780

文献概要

 Pull-through法(Badenoch法)は,陳旧性の後部尿道損傷,とくに膜様部尿道を中心とした2〜3cmの狭窄(第1図)の治療に用いられ,技術的に容易で,その成績も確実である。尿道の端々吻合の予定で手術を行った場合にも,尿道端の状態により,あるいは前立腺部尿道端が深くて吻合が確実でないと思われるような場合にも,本法の考え方,操作を併用することにより,安全で確実に尿道を吻合することができるので,本法を知っていると大変便利である。
 Ⅰ.術前の検査 狭窄の部位と範囲,および括約筋尿道(膀胱頸部と後部尿道)の状態を術前に正しく把握しておくことが必要である。狭窄部が細いなりに交通している場合には,逆行性尿道造影と排尿時造影で十分であるが,完全狭窄の場合には,何らかの方法を工夫しなければならない。排尿動作により後部尿道が開く場合には,排尿時膀胱造影と逆行性尿道造影を同時に重ねて行うことにより,狭窄部位と長さおよび後部尿道の状態を知ることができる。排尿動作によりうまく後部尿道が開かない場合には,膀胱瘻よりカテーテルを後部尿道に入れて造影し,これに逆行性尿道造影を重ねて行う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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