文献詳細
教室だより
文献概要
愛媛大学医学部は1973年9月に設置され,泌尿器科学教室は1976年4月に竹内正文教授を含め3名の教官で誕生した。医学部ならびに附属病院は松山市の東約10キロ,伊予鉄道横河原線の終点,道後平野も奥まった国道11号線沿いにある。1976年10月の附属病院開院当初,愛媛県には泌尿器科医の数が少なく,泌尿器科治療を必要とする患者が数多くあり,県外から集まった12名のスタッフで一般泌尿器科疾患に対する手術治療を精力的に行ってきた。1979年からの第一期生の入局以来当科のスタッフも徐々に充実し,関連病院の整備拡充を進めるとともに尿路悪性腫瘍の臨床と研究のため大阪府立成人病セソターへ,腎移植の臨床と移植免疫の研究のため兵庫県立西宮病院へ本学卒業生を派遣し,県民のニーズに応えうる医療を目指した。こうしてスタッフが整備された1982年より,一般泌尿器科治療を優先する必要性から見送っていた腎移植を開始した。1987年4月には愛媛県腎移植センター,1988年5月には愛媛腎臓バソクがそれぞれ設立され,死体腎移値を進める環境もやっと整備されてきた。
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