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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科43巻11号

1989年11月発行

手術手技 外来小手術

膀胱瘻術

著者: 長船匡男1 山口誓司1

所属機関: 1箕面市立病院泌尿器科

ページ範囲:P.953 - P.957

文献概要

 膀胱瘻は,永久的処置としてなされる場合と,一時的処置としてなされる場合とがあるが,前者は再建不可能な尿道狭窄,あるいは尿道癌・外陰癌など,比較的まれであるのに対して,後者は前立腺肥大・尿道狭窄・前立腺癌などによる急性尿閉に対する応急処置として比較的経験することが多い。膀胱瘻術には,穿刺による方法か,あるいは切開術による方法かが選択されるが,穿刺法によればすべてカテーテルが必要である(intubatedcystostomy)。これに対して,切開術によればカテーテル法のみならず,無カテーテル法(tubeless cystostomy)も可能である。しかしBlockson1),Lapides法2)らのtubeless cysto—stomyは,成人では採尿袋(pouch)の装着が困難であるうえに,結石の発生率が高いとされている3)。また,intubated cystostomyも感染必発であり,長期例は萎縮膀胱となりうるため,いずれの方法であれ,永久的尿路変更法として膀胱瘻は必ずしも好ましいものとはいえない。それ故,本稿では一時的処置としての尿路変更術を前提として,穿刺法と膀胱高位切開法について記載するにとどめる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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