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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科43巻3号

1989年03月発行

特集 進行性前立腺癌の治療

外科的療法

著者: 垣添忠生1

所属機関: 1国立がんセンター泌尿器科

ページ範囲:P.203 - P.207

文献概要

はじめに
 一言で進行前立腺癌といっても,その意味するところは人によって各様である。前立腺被膜を越えた癌を指す人もあろう。骨盤内リンパ節転移陽性の癌を考える人もある。あるいは,ホルモン抵抗性となった多発性骨転移症例を思い浮かべる人もあろう。しかし,外科的療法の対象として考えると,必然的に骨盤内に限局した前立腺癌,つまり外科的に完全切除可能な症例を対象とすることになる。現時点では前立腺の被膜を越えた癌や,骨盤内リンパ節陽性の癌に対して手術を施行することが,患者の長期生存につながるとする証拠は十分ではない。しかし,ホルモン療法の限界を破ってある程度進行した前立腺癌の治療に新しい展開を求めようとするとき,手術療法はそのカギとなろう。とはいえ,前立腺癌はきわめて多様性に富んだ癌で簡単には把握できない。筆者も暗中模索の段階であるが,進行性前立腺癌の治療にどんな風にとり組むべきか,過去のデータと将来展望も含めて呈示し,ご批判をいただきたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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