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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科43巻3号

1989年03月発行

特集 進行性前立腺癌の治療

放射線療法

著者: 河合恒雄1

所属機関: 1癌研究会附属病院泌尿器科

ページ範囲:P.209 - P.215

文献概要

はじめに
 当泌尿器科では過去24年余り,前立腺癌の根治性を求めて病期B,Cの原発巣に対し,放射線の外部照射を行ってきた。その結果図1に示すごとく病期Bの成績は5年,10年生存率で91.1%,64%と限界に達している。しかし病期Cではエストロゲンを併用しても5年,10年生存率は64.9%,34.3%である1)。Bagshawの外部照射の成績2)は5年,10年,15年生存率で病期A,Bが79%,58%,37%,病期Cが60%,36%,22%である。両者ともほぼ同様の成績で,病期Cは病期Bより劣り,まだ改善の余地がある。
 Whitmoreは前立腺癌を臨床的に病期Ⅰ偶発癌,病期Ⅱ初期癌,病期Ⅲ局所進展癌,病期Ⅳ進行癌に分類している3)。放射線治療学の立場から考えれば病期Ⅰ,Ⅱは放射線単独療法で完治し得る早期癌,病期Ⅲ,Ⅳは放射線単独では治癒し得ない進行癌とみなすことができる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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