文献詳細
特集 進行性前立腺癌の治療
文献概要
はじめに
当泌尿器科では過去24年余り,前立腺癌の根治性を求めて病期B,Cの原発巣に対し,放射線の外部照射を行ってきた。その結果図1に示すごとく病期Bの成績は5年,10年生存率で91.1%,64%と限界に達している。しかし病期Cではエストロゲンを併用しても5年,10年生存率は64.9%,34.3%である1)。Bagshawの外部照射の成績2)は5年,10年,15年生存率で病期A,Bが79%,58%,37%,病期Cが60%,36%,22%である。両者ともほぼ同様の成績で,病期Cは病期Bより劣り,まだ改善の余地がある。
Whitmoreは前立腺癌を臨床的に病期Ⅰ偶発癌,病期Ⅱ初期癌,病期Ⅲ局所進展癌,病期Ⅳ進行癌に分類している3)。放射線治療学の立場から考えれば病期Ⅰ,Ⅱは放射線単独療法で完治し得る早期癌,病期Ⅲ,Ⅳは放射線単独では治癒し得ない進行癌とみなすことができる。
当泌尿器科では過去24年余り,前立腺癌の根治性を求めて病期B,Cの原発巣に対し,放射線の外部照射を行ってきた。その結果図1に示すごとく病期Bの成績は5年,10年生存率で91.1%,64%と限界に達している。しかし病期Cではエストロゲンを併用しても5年,10年生存率は64.9%,34.3%である1)。Bagshawの外部照射の成績2)は5年,10年,15年生存率で病期A,Bが79%,58%,37%,病期Cが60%,36%,22%である。両者ともほぼ同様の成績で,病期Cは病期Bより劣り,まだ改善の余地がある。
Whitmoreは前立腺癌を臨床的に病期Ⅰ偶発癌,病期Ⅱ初期癌,病期Ⅲ局所進展癌,病期Ⅳ進行癌に分類している3)。放射線治療学の立場から考えれば病期Ⅰ,Ⅱは放射線単独療法で完治し得る早期癌,病期Ⅲ,Ⅳは放射線単独では治癒し得ない進行癌とみなすことができる。
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