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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科43巻3号

1989年03月発行

特集 進行性前立腺癌の治療

LH-RHアナログによる治療

著者: 宇佐美道之1 Zoladex共同研究グループ TAP-144-SR前立腺癌研究会

所属機関: 1大阪府立成人病センター泌尿器科

ページ範囲:P.217 - P.225

文献概要

はじめに
 近年,新しい前立腺癌内分泌療法としてlutei-nizing hormone-releasing hormone(以下LH-RH)のアナログ剤による治療が注目を集めている。
 LH-RHは薬理学的量を持続投与すると,下垂体前葉においてLH-RHレセプターが常に結合状態となるためLH分泌能のdown regulationをもたらす。一方精巣においては,当初過剰に分泌されたLHによりLHレセプターもdesensitizationを受けることになり,その結果血清LH,FSHのみならず血清テストステロン値も去勢域にまで低下する。したがって,LH-RHアナログの避妊やホルモン依存性腫瘍への応用が着目された。前立腺癌においては欧米の早期臨床試験で,今日広く行われているエストロゲン剤治療でみられる女性化あるいは心血管系に代表される重篤な副作用や外科的去勢術に伴う肉体的,精神的誇痛がみられず,かつ抗腫瘍効果も示す結果が報告されている1〜3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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