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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科43巻3号

1989年03月発行

文献概要

原著

シスプラチンによる腎障害の推移について

著者: 古田希1 町田豊平1 増田富士男1 仲田浄治郎1 大西哲郎1 近藤泉1 鈴木英訓1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.253 - P.257

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 泌尿器科悪性腫瘍68例(睾丸腫瘍42例,前立腺癌14例,膀胱癌6例,腎腫瘍5例,副腎癌1例)にシスプラチンを主体とした化学療法を施行し腎障害を検討した。その結果,全68例中16例(24%)に血清クレアチニン濃度1.5mg/dl以上となる腎機能障害例を認めた。シスプラチン総投与量500mgを超える群では,15例中6例(40%)に蓄積毒性が認められた。また片側無機能腎症例では,腎機能の障害が両側腎機能正常例に比較し有意に認められた。血清クレアチニン濃度1.5mg/dl以上となった16症例の経過では,2例が腎不全にて死亡し,14例は経過中最高値平均2.8mg/dlと上昇したが,その後1.6mg/dlまで改善傾向を示した。しかし,投与前平均1.1mg/dlと較べ,軽度の腎機能障害が残存した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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