文献詳細
綜説
文献概要
はじめに
精巣の機能障害には,免疫反応の関与の可能性が指摘されているものが少なくない。
男性不妊症の成因の1つに免疫性因子が挙げられており1),不妊夫婦の5%において,男性側に抗精子抗体が認められる2)。精管切断術後の症例で高頻度に抗精子抗体が証明されるとの報告もある3〜5)。一側性の精巣回転症患者の予後を調査すると,患側のみならず対側精巣にも障害が発生しうることが報告されている6,7)。この対側精巣の障害の発生は,実験的にも確認されており,自己免疫反応による可能性が推測されている8,9)。自己免疫精巣炎が精巣の損傷に引き続いて発生することも示されている10)。
精巣の機能障害には,免疫反応の関与の可能性が指摘されているものが少なくない。
男性不妊症の成因の1つに免疫性因子が挙げられており1),不妊夫婦の5%において,男性側に抗精子抗体が認められる2)。精管切断術後の症例で高頻度に抗精子抗体が証明されるとの報告もある3〜5)。一側性の精巣回転症患者の予後を調査すると,患側のみならず対側精巣にも障害が発生しうることが報告されている6,7)。この対側精巣の障害の発生は,実験的にも確認されており,自己免疫反応による可能性が推測されている8,9)。自己免疫精巣炎が精巣の損傷に引き続いて発生することも示されている10)。
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