文献詳細
講座 泌尿器手術に必要な局所解剖・10
文献概要
骨盤内臓の局所解剖を考える前提の1つとして,さきに骨盤底筋,すなわち骨盤隔膜と尿生殖隔膜について構成と神経支配を中心として解説を加えた(本誌43(1):25-34,1989)。ところで種々の臓器はそれ自身として独立して存在しうるわけではない。相互の連絡はもちろんのこととして,血管神経で繋ぎとめられている。したがって血管神経,とくに動脈の概要を頭に入れておかなければなるまい。腹大動脈から直接出る卵巣動脈や下腸間膜動脈から起こる上直腸動脈を別にすると,骨盤臓器の大半の動脈は内腸骨動脈の分枝に属する。そこで今回は内腸骨動脈とはどんな動脈かということを考えておくことにしたい。もちろん,こまかな枝分かれや分布は各臓器でとりあつかうことにする。
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