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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科43巻4号

1989年04月発行

交見室

後腹膜リンパ節郭清を読んで,他

著者: 三木恒治1 宇佐美道之1

所属機関: 1大阪府立成人病センター

ページ範囲:P.364 - P.364

文献概要

 42巻12号の河合恒雄先生の「手術手技一後腹膜リンパ郭清」を興味深く読ませていただきました。後腹膜リンパ郭清は,我々泌尿器科医にとってそれ程多く行われる手術ではありませんが,睾丸腫瘍の後腹膜転移巣の治療として重要な位置を占めております。私は2年前Indiana大学のJohnP.Donohue教授のもとで後腹膜リソパ節郭清について御教授いただいた経験があり,その時の知見を河合先生の論文に比べつつ,述べたいと思います。
 まず最初に,下腸間膜静脈の処理法についてですが,Donohue教授は脾静脈との分岐点でこれを常に結紮切断しておられ,確かに切断することによって腎門部での視野は非常によくなるようです。また下腸間膜静脈の切断によるトラブルは,約1000例にのぼる後腹膜リンパ節郭清で1例もみられなかったとのことです。それゆえ,特に腎門部付近の巨大な残存腫瘍の切除時には下腸間膜静脈の起始部での切断をおすすめします。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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