文献詳細
手術手技 外来小手術
文献概要
陰嚢水腫は睾丸固有鞘膜と睾丸白膜との間における過度な液の貯留状態であり,患者が身体的,精神的な苦痛を訴える時に治療が必要となる。しかし,たとえ無症状でも,睾丸や副睾丸の腫瘍あるいは炎症などの基礎疾患が存在することがあるので,場合によっては,陰嚢穿刺排液後(液の細胞診,細菌培養などに供す),十分触診し,時には超音波断層法による検索をすべきである。本症の保存的な治療法として,穿刺法,固定法(固定液注入)があり,ある程度の有効性が報告されているが,再発例には根治手術が適応となる。小児の陰嚢水腫は腹膜鞘状突起の閉鎖不全によるものであり,1歳以内に自然治癒することが多いので,少なくとも,同時期までは経過観察すべきであり,手術に際しても,成人の場合と異なり,鼠径部切開により,鞘状突起を結紮しなければならない。
ここでは,著者の行っている,成人の陰嚢水腫根治術について述べる。なお,著者は本手術は入院手術として,一般に,腰椎麻酔で行っているが,サドルブロック,あるいは皮切部浸潤麻酔と精索伝達麻酔により,外来手術としても可能であろう。
ここでは,著者の行っている,成人の陰嚢水腫根治術について述べる。なお,著者は本手術は入院手術として,一般に,腰椎麻酔で行っているが,サドルブロック,あるいは皮切部浸潤麻酔と精索伝達麻酔により,外来手術としても可能であろう。
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