文献詳細
綜説
文献概要
はじめに
膀胱腫瘍の治療方針の基本となるものは浸潤度と分化度であり,これに種々のrisk factorを考慮して最終的に膀胱保存療法か,膀胱全摘除術かの適応が決定される。しかし,特殊な例としてcarcinoma in situでは,初期には表在性腫瘍(lowstage)の形をとっていても浸潤性となると進行が早く,予後も不良となるので膀胱全摘の対象となる場合もある。またlow stage,high gradeの膀胱癌の治療も膀胱保存療法としてのTURのみでは必ずしも完全な治療とはいえず,保存的か全摘かの手術療法の適応には十分過ぎる程の検討が必要である。ところで手術療法単独では限界があり,この手術療法の成績を改善するために種々の併用療法が試みられてきた。その一つである放射線療法は根治的療法として施行されるほかに,手術の併用療法として試みられている。現在まで多数の成績が報告されており,確立された治療法と思われる。しかし線源,照射法,照射の時期,照射線量,単独照射,および手術または化学療法その他の治療法との併用など,多種多様であり,いずれが最も優れた結果を得られるかについては一致をみていない。
ここでは過去5年間の報告を中心に膀胱腫瘍の放射線療法について概説し,併せて著者らが独自に施行している術中照射の膀胱全摘除術への併用療法の成績を紹介する。
膀胱腫瘍の治療方針の基本となるものは浸潤度と分化度であり,これに種々のrisk factorを考慮して最終的に膀胱保存療法か,膀胱全摘除術かの適応が決定される。しかし,特殊な例としてcarcinoma in situでは,初期には表在性腫瘍(lowstage)の形をとっていても浸潤性となると進行が早く,予後も不良となるので膀胱全摘の対象となる場合もある。またlow stage,high gradeの膀胱癌の治療も膀胱保存療法としてのTURのみでは必ずしも完全な治療とはいえず,保存的か全摘かの手術療法の適応には十分過ぎる程の検討が必要である。ところで手術療法単独では限界があり,この手術療法の成績を改善するために種々の併用療法が試みられてきた。その一つである放射線療法は根治的療法として施行されるほかに,手術の併用療法として試みられている。現在まで多数の成績が報告されており,確立された治療法と思われる。しかし線源,照射法,照射の時期,照射線量,単独照射,および手術または化学療法その他の治療法との併用など,多種多様であり,いずれが最も優れた結果を得られるかについては一致をみていない。
ここでは過去5年間の報告を中心に膀胱腫瘍の放射線療法について概説し,併せて著者らが独自に施行している術中照射の膀胱全摘除術への併用療法の成績を紹介する。
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