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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科43巻7号

1989年07月発行

文献概要

講座 泌尿器手術に必要な局所解剖・13

骨盤内の筋膜

著者: 佐藤達夫1 佐藤健次1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部解剖学第2講座

ページ範囲:P.576 - P.584

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 骨盤神経叢およびリンパ管系とならんで,骨盤の癌外科ではもう一つ重要な局所解剖学の課題が大いに論議を呼んでいる。それは内臓筋膜(臓側筋膜visceral fascia)である。かつて久留(1940)1)が指摘したように,癌根治手術に際し,リンパ節鎖をその被覆筋膜とともに,"風呂敷に包んだごとき状態に摘出する"ことが推奨されるからである。近年幾つかの領域で,筋膜と脈管との層的関係の研究が活発化し,その結果,個々の部位における層構成はかなり明瞭となった。しかし,それらはその有効性を当該局所においてのみ保有した研究であって,複数領域相互にまたがる連続性と一般性をもった概念として把握されたものではない。本稿では人体の筋膜層構成の基本形態を模型化して考察し,剖出所見も供覧しながら説明を加えたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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