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雑誌目次

雑誌文献

臨床泌尿器科43巻9号

1989年09月発行

雑誌目次

綜説

AIDS

著者: 南谷幹夫

ページ範囲:P.745 - P.756

はじめに
 1980年代になってヒトに起病性のある2種類のレトロウイルスが発見されている。ATL (adultT-cell leukemia,成人T細胞白血病)の病原体であるHTLV-1(humanT-cell lymphotropic virustyPe 1)であり,他はAIDS(acquired immuno-deficiency syndrome)の病原体であるHIV(hu-man immunodeficiency virus,ヒト免疫不全ウイルス)である。いずれも性行為感染症であり,かつ血液媒介感染症でもあり,また,HTLV-Iの主要感染経路として母乳があげられ,HlVも乳児への感染ルートとして母乳が一因となっている。

手術手技 外来小手術

睾丸生検

著者: 丸田浩

ページ範囲:P.757 - P.759

 睾丸の組織学的検査は男子不妊症の診断,治療方針決定,予後の推定などのために行われてきた。組織検査の重要性は現在もかわりないが,睾丸機能を推定する内分泌学的方法(ゴナドトロピン,テストステロン,エストロゲン測定,LH-RHテスト,HCGテストなど),生化学的方法(精漿中の様々な物質の測定)などが進歩し,睾丸生検の適応症例は限られたものになりつつある。現在のところ睾丸生検を行うことによって得られる情報量から,無精子症と高度乏精子症(精子濃度が5×106/ml以下)が主な適応と考えられている。一方,男子不妊症の診断以外の目的で睾丸生検の有用性を主張する報告もある。Pedersen(1987)は以前に睾丸固定術を行った停留睾丸例94例について両側の睾丸生検を行ったところ,3例(片側停留睾丸2例,両側例1例)に睾丸の上皮内癌を認め,睾丸生検の有用性を述べている。以下,睾丸生検の手技と採取した生検組織の評価法について述べる。

講座 泌尿器手術に必要な局所解剖・15

膀胱と前立腺(2)—動脈

著者: 佐藤達夫

ページ範囲:P.761 - P.767

 骨盤内臓の主要動脈である内腸骨動脈については,このシリーズの第10回で総論的にとり扱った(臨泌43(4):301)1)。内腸骨動脈は種々の分枝を含み,解析の複雑な動脈である。いま,その中で比較的太い臍動脈(生後は近位部を除いて閉塞し臍動脈索となる),上殿動脈,下殿動脈,内陰部動脈の4本の枝を選び,その枝分かれ順を見ると,変異の幅は大きいが,図1-Aが最も標準的なタイプである1)。この模型図では,腰動脈(索)を内腸骨動脈の主幹に見たて,他の3枝を分枝として扱っているように見える。しかし比較的解剖学的に考ると,内腸骨動脈は本来,坐骨神経に沿って骨盤の尾側を通る(帯後性,立位のヒトでは帯下性)下肢の動脈(坐骨動脈)を本幹とし,これに骨盤内臓や会陰部の動脈が併合されて形成された経緯が認められる1)。ヒトでは坐骨動脈は退化し下殿動脈として残存するので,内腸骨動脈の主軸を下殿動脈と考えることも可能である。その見方に立って図1-Aを描き直したのが図1-Bである。この図では,内腸骨動脈から,まず上殿動脈が分かれる。それ以下の下殿動脈と内陰部動脈の共通幹を殿陰部動脈幹(glutcopudendal trunk)と呼べば,臍動脈(索)はこの殿陰部動脈幹から起こるのが標準となるのである。

学会印象記

木目こまかいAUA学会の教育と指導—第84回米国泌尿器科学会総会に出席して/第84回アメリカ泌尿器科学会に出席して

著者: 岡本重禮 ,   真下節夫

ページ範囲:P.768 - P.769

 第84回米国泌尿器科学会(AUA)年次総会は1985年5月7日から11日まで米国,テキサス州ダラス市で開催された。
 会長はテキサス大学のP.C.ピータース,事務総長はロチエスター大学のA.T.K.コケットがつとめた。その他AUA 8地区の代表が実行委員として加わり,71名のプログラム委員が,学会の運営に当たっていた。これらの役員の顔ぶれをみる限りAUAは明らかに若返った感がある。

原著

膀胱腫瘍に対する膀胱部分切除術の成績

著者: 大東貴志 ,   萩原正通

ページ範囲:P.773 - P.776

 膀胱部分切除術が行われた原発性膀胱移行上皮癌患者27例について,その転帰を調査し,これを規定する病理組織学的因子について検討した。術後の膀胱内再発は,12例(44%)に認められ,組織学的深達度,または異型度が高度なほど早期から高率に認められた。腫瘤形成性腫瘍周囲粘膜に上皮内癌を認めた4例はすべて2年以内に膀胱内再発をきたした。Kaplan-Meier法による5年生存率は68%で, Iow grade症例てはhigh grade症例に比較して有意に生存期間が長かった。また,膀胱部分切除時high gradeで膀胱内再発をきたした症例では,癌死にいたる症例が多く認められた。

神経因性膀胱に対する腸管利用膀胱拡大術

著者: 石塚修 ,   和食正久 ,   福井準之助 ,   小川秋実

ページ範囲:P.777 - P.779

 神経因性膀胱患者のうち,膀胱の伸展性が失われ膀胱容量が小さいために尿失禁を呈した7例に対して,腸管を利用した膀胱拡大術を行った。術後全例が間欠的自己導尿を施行しているが,5例で尿失禁が消失またはほぼ消失し,2例で失禁量が著減した。

症例

腎摘出術後に代償性肥大を呈した発育不全腎

著者: 塙篤美 ,   森田隆 ,   堂北忍 ,   近藤俊 ,   土田正義 ,   大村博陸

ページ範囲:P.781 - P.783

 44歳.男性。急性膵炎で入院後の精査で,右腎細胞癌と左発育不全腎を発見した。右根治的腎摘出術を施行した。術後,一時血夜透析を必要としたが,左発育不全腎の代償性肥大とともに血液透析から離脱した。私たちが調べ得た限りでは,腎摘出術後に対側の発育不全腎に代償性肥大を認めたという報告はない。

ネフローゼ症候群に対する両側腎塞栓療法

著者: 高岩正至 ,   山中直人 ,   村木修 ,   一條貞敏

ページ範囲:P.785 - P.787

 67歳,男性。30年来,蛋白尿を指摘されていたが,全身浮腫が出現,経口摂取が困難栄養状態が悪化したため入院した。高度の蛋白尿と低蛋白血症,高窒素血症を伴うネフローゼ症候群としてステロイド療法,血液透析を施行したが改善せず,両側腎動脈塞栓術を施行した。血清蛋白は正常化し,週3回透析にて全身状態は良好に維持された。残念して塞栓7か月,膵癌にて死亡した。

自然治癒した尿管腟瘻の2例

著者: 佐々木紘一 ,   藤本健吉 ,   新井建伯 ,   海老沢寛

ページ範囲:P.789 - P.791

 われわれは自然治癒した尿管腟瘻の2症例を経験した。症例1(40歳,子宮筋腫)は子宮全摘出術後13日目で発症,左尿管脾瘻出現後75日目で自然治癒した。症例2(71歳,右卵巣腫瘍茎捻転)は単純子宮全摘出術,両側付属器切除術後14日目で発症,右尿管腟瘻出現後14日目で自然治癒した。また,尿管腟瘻の症例の治療に尿管カテーテル等が利用できれば治療期間を短縮できるのではないかと考える。

直腸原発転移性尿管腫瘍

著者: 田村隆美 ,   上原徹

ページ範囲:P.793 - P.796

 45歳,女性。左側腹部痛,下腹部不快感を主訴に来院した。尿管腫瘍として左腎尿管全摘除術を行い,術中,腫瘍と周囲臓器との連続性がないことを確認した。摘出標本では非乳頭状の腫瘍が認められ,組織学的に高分化型腺癌細胞が尿管の粘膜下層,筋層,外膜の血管内に認められた。術後直腸に原発巣が確認され,組織所見と合わせて転移性尿管腫瘍と診断した。癌性悪液質が次第に進行し,左側腹部痛出現から約5カ月後に死亡した。

陰嚢RIイメージングが診断に有効であった急性陰嚢症

著者: 小松和人 ,   川口光平 ,   中島慎一 ,   谷口充 ,   油野民雄

ページ範囲:P.797 - P.800

 症例1:5歳,男児。右陰嚢部痛を主訴に来院し,理学所見上睾丸捻転症を疑ったが,陰嚢RIイメージング上RI集積の増加を認めた。手術所見は,右睾丸垂捻転症であった。症例2:7歳,男児。1週間続く右陰嚢部腫脹を主訴に来院した。陰嚢RIイメージング上RI集積の増加を認め,現在保存的に経過観察中であるが睾丸の萎縮を認めない。陰嚢RIイメージングが,睾丸捻転症の除外診断に有効であった2例を報告した。

陰嚢内神経線維腫の1例

著者: 米山威久 ,   岡根谷利一

ページ範囲:P.803 - P.805

 46歳,男性。左陰嚢内腫瘤にて来院し,手術の結果,限局性神経線維腫であった。術後3年の現在再発は認められない。本症例は世界で3例目と思われる。

高ゴナドトロピン血症を伴ったライジッヒ細胞腫瘍

著者: 河野信一 ,   矢野彰一 ,   中川昌之 ,   野村芳雄 ,   緒方二郎 ,   児玉靖司

ページ範囲:P.807 - P.810

 56歳,男子の高ゴナドトロピン血症を伴った右睾丸に発生した稀なライジッヒ細胞腫瘍。対側睾丸生検でライジッヒ細胞の過形成と思われる所見を認め,これら両側の病理組織学的変化は,中枢性の高ゴナドトロピン血症から惹起されたものではないかと考えた。また放射線治療後,末梢リンパ球染色体に数的構造的異常が発見されたが,これは放射線照射によるものと判定された。除睾術後2年3カ月現在健在である。

睾丸梗塞の核磁気共鳴画像

著者: 広瀬欽次郎 ,   星野光典 ,   近藤近江 ,   岩崎尚彌

ページ範囲:P.811 - P.813

 16歳,男子における急性陰嚢症で術前核磁気共鳴画像(MRI)検査が診断上極めて有用であった。本例は5日間続く右陰嚢内容の急性腫脹例で,術前超音波検査では右山睾丸の腫脹並びに一部液状壊死を示唆する所見を得たが,CT検査ではその確証を得られなかった。MRIはT2強調像で右睾丸の中心部壊死を強く疑わせ,摘出標本の病理組織学的所見と合致した。

凝固因子製剤とフィブリン接着剤で治癒せしめた難治糞瘻

著者: 小林幹男 ,   鈴木和浩 ,   一ノ瀬義雄 ,   橋本勝善 ,   松本和久 ,   山中英寿

ページ範囲:P.815 - P.817

 71歳,男性。1984年9月13日,膀胱腫瘍の診断にて膀胱全摘・回腸導管造設術を施行した。術後,重篤なイレウスを合併,対症療法にて改善したが,創部ドレーンより糞便の排泄を認めた。瘻孔造影にて回腸皮膚瘻を形成していた。禁食,IVHによる治療を試みたが,瘻孔の閉鎖は認めなかった。術後4年目,瘻孔の治療の目的にて血液凝固第XⅢ因子製剤を投与後,間隔をおいてフィブリン接着剤の局所注入を行ったところ瘻孔の完全治癒を得た。

Urological Letter・560

尿管結石の治療上の新傾向

ページ範囲:P.787 - P.787

 1984年12月以来,薬物治療などで尿道から自然排出しない患者に対して,筆者らは硬性尿管鏡を使っての切石術(URS)を行っている。それ以来,外科的手術の必要性はどんどん減少してきた。治療を必要とする尿管結石患者は1984,1985,1986年はそれぞれ60,80,100例であった。この3年間にURSで成功した例はそれぞれ11.7%,14,8%,44.0%であって,外科的手術をしたのはそれぞれ88.3%,85.2%,56.0%であった。
 筆者らは1987年に尿管結石に体外衝撃波破砕法(ESWL)を過用するに当たって,患者にうつ伏せの体位をとらせることによって手技を改良した。筆者らの上1/3の部の結石に対する成功率は96,9%,中1/3の部のは97.1%,下1/3の部のは96.4%であった。1987年に筆者らは242例の尿管結石を治療したが,URSで成功したのは44.2%,ESWLで成功したのは 38.0%,外科的手術をしたのは17,8%である。1988年には全体は283例であったが,そのうちURSを施したのは34.6%,ESWLを用いたのは50.9%o,外科的手術をしたものは14.5%であった。このことから外科的手術の必要性はずっと減ったが,URSの適用もまた滅ったことが明らかである。ESWLは非侵襲的治療法として第一に選択すべき方法である。

文献抄録

膀胱癌治療後の上部尿路癌の発生について

ページ範囲:P.805 - P.805

 膀胱癌治療後に上部尿路の尿管腎盂に発生する癌の頻度については,長期の経過を観察する必要があり,報告は少ないが,一般には0.5〜1.5%程度といわれている。著者らは1950〜1975月の16年間に754例の膀胱癌を治療したが,このうち同時に上部尿路癌を併発していたり,上部尿路癌の有無を死後の剖検で確認し得なかった97例を除いて,657例について長期の追跡結果を報告している。657名は男性493名,女性164名,男女比3:1である。
 経過観察中の検査としては,年に3〜4回の内視鏡,尿の細胞診,IVP検査を行った。観察の期間は10年以上にわたり,患者が死亡した場合は剖検して上部尿路癌の有無を検索した。この期間中に死亡した者は509名(77%)で,死亡の原因が膀胱癌であったのは259名(51%),癌に併発した疾患での死亡は250名(49%)であった。657名中上部尿路に癌が確認されたのは11名(男7名,女4名)である。膀胱癌の治療後に上部尿路癌の発見までの期間は10カ月から13年である。初診時の膀胱癌は単発性は6名で,多発性は5名である。膀胱癌の治療は,膀胱摘出1名,放射線照射2名,部分切除8名(尿管再吻合3名)である。

教室だより

横浜市立大学泌尿器科学教室

著者: 野口和美

ページ範囲:P.818 - P.818

 横浜市立大学医学部は1944(昭和19)年横浜市立医学専門学校として開佼した。「付属十全病院」の前身は,長崎に次いでわが国二番目の洋式病院として1871(明治4)年に開設された「仮病院」であり,以後1874年「神奈川県十全医院」,1891年「横兵市十全医院」と改称された。1952(昭和27)年に横浜市立大学に統合され,「横浜市立大学医学部病院」とともに現在に至っている。
 基礎校舎および臨床研究棟は1987年春に横浜市金沢区福浦の新キャンパスに移転し,現在は600床の新病院が1991年春のオープンをめざして同所に建設中である。南区浦舟町の800床を有する現病院は,隣接して現在建設中の救命救急センターとともに分院となる予定である。310万市民をかかえる大都市横浜の基幹病院として今後も重要な役割を課せられていくことはまちがいない。

島根医科大学泌尿器科学教室

著者: 姫野安敏

ページ範囲:P.819 - P.819

 島根医科大学泌尿器科学教室は,1978年4月出雲市に開設されて今日にいたっている。ここ出雲市は日本海に面する島根半島に位置し,小泉八雲,宍道湖で知られる水郷,松江市に隣接している。また八岐のおろち神話,出雲大社,青銅剣の発掘された荒神谷遺跡など古代とのつながりの深い,自然に恵まれた土地柄である。
 現在の医局員数は教授を含めて10名と少人数ではあるが,毎日臨床に研究にと,また関連病院の応援にと東西に奔走している現況である。新設医科大学においては共通の悩みをもっておられると推察されるが,大学入学者の大半が他県よりの入学者で占められているため,卒業後当大学において研修を行う医師が少なく,我が医局においても医局員不足に悩まされている。しかし少人数の医局ではあるが,和気あいあいとした雰囲気の中,老若を問わず皆力を合わせて医局の発展のため努力している。

小さな工夫

インスタントカメラを用いた術中透視モニター像の記録方法

著者: 吉田一成 ,   志村哲 ,   門脇和臣

ページ範囲:P.821 - P.821

 近年,尿管ステントの挿入,交換,経皮的腎瘻の造設,経皮的結石除去術など泌尿器科分野における内視鏡的手術手技(いわゆるinterventional uroradiology)の発達により,手術室内等において透視装置を使った手術や処置を行う機会が増加している。この際モニターの像を記録したい場合が多々あるが,多くはレントゲン技師の助力を得て,フィルムをセットし,レントゲンの管球の条件を変え撮影をしている。時にはレントゲン装置を取り替えたり患者の体を動かしてフィルムを体の下にいれたりなど多くの人の手を煩わしたにもかかわらず,透視時のモニターではとらえ得た貴重な像が記録に残せないということが意外に多いように思える。さらに撮影時の操作により手術や処置が一時中止となり,術野の清潔も保たれにくいなど困ることも多い。
 そこで透視のモニター像を市販のポラロイドカメラで撮ってみた(図1,2)。フラッシュを使わず室内光のみで,できる限り画面いっぱいに撮ったものである。レントゲンフィルムのように全体像をとらえることは難しいが十分に記録として残し得るものといえるし,最近の透視モニターには像を一時止められる機構が付いているものが多く,いちばん貴重な一瞬を多くの人の手を煩わすことなく非常に簡単に,しかも術野の外で撮ることができる。さらにその写真はほんの数分待てば見られるし,何枚かの写真を撮ることもその度にX線被爆を受けずに容易にできる。

画像診断

診断に苦労した尿管腫瘍の1例

著者: 寺田為義 ,   永川修 ,   片山喬 ,   長谷川真常

ページ範囲:P.823 - P.825

 症例 59歳,女性。
 主訴 左側腹部疝痛。
 初診 1988年10月12日。
 家族歴 特になし。
 既往歴 49歳時,子宮筋腫摘出術。
 現病歴 1988年10月10日,突然左側腹部疝痛発作が出現した。自然軽快したが10月12日長谷川病院を受診した。
 現症 下腹部正中に子宮筋腫摘出術の手術痕あり。腎は触れず。腎部圧痛もなし。
 検査所見 検尿沈渣にて赤血球10〜20/各視野を認める。他に血液一般,生化学には異常を認めず。

交見室

超音波スクリーニングによる腎腫瘍発見の試みを読んで,他

著者: 里見佳昭

ページ範囲:P.826 - P.827

 43巻4号の水関先生らの「超音波スクリーニングによる腎腫瘍発見の試み」を興味深く読ませていただきました。これに関連いたしまして腎癌の早期発見の必要性について若干の感想を述べさせていただきます。
 腎癌の治療成績はここ20年以上にわたりほとんど進歩が見られていないのが現状です。私どもの成績では昭和40年代(118例)の症例の10年実測生存率は33%,昭和50年以降(425例)のそれは36%です。この原因の1つは有効な化学療法剤の開発がないこと,そして他の1つは早期発見の向上がないことと考えています。前者に関しては臨床医としてはいかんともしがたい性質のものですが,後者については私どもの努力によっては相当の進歩が期待されるものと思うわけです。

基本情報

臨床泌尿器科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1332

印刷版ISSN 0385-2393

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