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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科44巻1号

1990年01月発行

文献概要

手術手技 難しい手術

隣接臓器へ浸潤した腎腫瘍

著者: 一條貞敏1

所属機関: 1福島県立医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.17 - P.23

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 腎被膜とGerota筋膜に庇護された腎の腫瘍も,時には隣接臓器にまで波及する。右腎腫瘍における十二指腸,肝,左腎腫瘍の膵尾部および脾,そして左右を問わず副腎,結腸,横隔膜などである。副腎浸潤は例外として,これら症例の予後は一般に悪い。既に遠隔転移をみることも多い。手術は高度で,しばしば泌尿器科の域を越える。手術による延命効果はあまり期待できないし,化学療法など他の治療法も無いわけではない。当然,手術適応は限られることになる。しかし,限られたこととはいえ,この適応例は存在する。これを事なく対処出来るのが本当の泌尿器科医であるとも言える。幸いにして,今日,浸潤の程度は術前にかなり予知出来る。高度の他臓器浸潤癌を泌尿器科医のみで手掛ける可能性はまずない。ここでは著者独自の判断から,われわれ泌尿器科医が扱える範囲として,隣接臓器浸潤癌を記載してみた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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