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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科44巻1号

1990年01月発行

交見室

ビデオによる経尿道的前立腺切除術,他

著者: 藤田公生1

所属機関: 1国立病院医療センター

ページ範囲:P.88 - P.89

文献概要

 本誌8月号の「テレビモニターによる経尿道的前立腺切除術」に対するコメントを求められたので,私の考えを述べたい。まずビデオで見ながら手術をする場合,基本的に画像と対象物の位置の間にずれがあり,この感覚のずれを克服する必要がある。そのためにはモニターを患者の頭上など,術者の視野のなかでなるべく同じ方向になるようにする。視野は拡大されており,これは光学レンズ系による拡大ではないので解像が悪く,粗い。動作と視野との間のdissociationの一因はこの拡大率にあり,ちょうど顕微鏡手術を始めた時のようなとまどいを術者にもたらす。これらは訓練によってかなり慣れることができるが,特に瞬間的な判断とすばやい操作を求められる経尿道的前立腺切除術のような場合には,基本的なハンデキャップになる。この点ではモニターを見ながらの切除は,これまでの直視による切除に限りなく近づくことはできても,それを越えることはできない。
 しかし,ビデオモニターを利用する最大の利点として考えられるのは,膀胱頸部近くで12時の位置にある膀胱腫瘍やこの付近の前立腺の切除をするときである。この場合は,極端に表現すれば,床上から内視鏡を垂直に,天井に向けて切除しなければならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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