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特集 さんご状結石の治療
ESWLによるさんご状結石の治療
著者: 平野大作1 大井知教2 清滝修二2 佐藤安男2 滝本至得2 岡田清己2
所属機関: 1羽生病院泌尿器科 2日本大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.953 - P.959
文献購入ページに移動近年,尿路結石の治療はめざましい進歩を遂げてきた.一つは腎盂鏡や尿管鏡を用いた内視鏡的治療法であり,他は非観血的治療法である体外衝撃波破砕術(ESWL)である.ESWLは1980年Chaussyら1)により最初に臨床応用されて以来,急速な勢いで全世界へ普及されてきた.本邦でも1984年にDornier HM 3 iithotripterが導入され2),今や多種の装置が稼動している.導入当時は自費診療であったが,1988年4月より健康保険の適応を受けたこともあり,上部尿路結石の治療法としてESWLは第1選択として確立されたものと考える.しかし,さんご状結石は尿路感染症と密接な関係があり高度の腎孟腎炎の合併,終局的には腎機能の荒廃をきたすことから,stone can—cerとも呼ばれている3).このさんご状結石に対するESWLによる治療はstone streetをはじめ,いくつかの間題が残されている.
今回,さんご状結石におけるESWLによる治療について自験例を中心に言及する.
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