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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科44巻11号

1990年11月発行

手術手技 難しい手術

尿道下裂形成術後合併症に対する再建術

著者: 野々村克也1 浅野嘉文1 小柳知彦1

所属機関: 1北海道大学医学部泌尿器科教室

ページ範囲:P.983 - P.989

文献概要

 尿道下裂形成術不成功例の主なものとして1)尿道皮膚瘻,2)索変形の残存,3)外尿道口の狭窄・後退,4)旧尿道口吻合部狭窄(我々の行っている一期的形成術1)では皆無),5)新尿道の憩室様拡張などがある.尿道皮膚瘻の閉鎖に関しては既に報告してあるので2),a)索変形の矯正術,b)後退した尿道を亀頭先端まで延長する尿道形成術extension urethroplasty:3)あるいは4)に対する形成術,c)憩室切関除術について我々の行っている方法を紹介したい.いずれの手術も前回の手術による組織の炎症が治まり,陰茎皮膚の弾性が回復した(最低6ヵ月)後に行うのが原則である.さらに,前回の手術による瘢痕形成・皮膚の不自然な入り組みや癒着は易感染性であり,尿道形成や陰茎を覆うための皮膚は以前に増して制限されている等の悪条件で手術に臨むわけで,創のブラッシングなどの基本的な術前処置はもちろん,どのような皮膚切開でどういう対処をするのか綿密明確な戦略が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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