文献詳細
文献概要
講座 X線解剖学・9
骨盤
著者: 石井千佳子1 多田信平1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学放射線医学
ページ範囲:P.1047 - P.1049
文献購入ページに移動骨盤骨の入口は後方を下部腰椎と上部仙椎で囲む,仙骨は続けて骨盤の後壁を囲み,腸骨が外側方を囲む.骨盤底では前方は恥骨で,側方は坐骨で囲まれる.
腸骨と仙骨はおもに多数の仙腸靱帯で補強される仙腸関節sacroiliac jointを形成する1,2).仙腸関節は2つの関節で形成されている(図1).前下方1/3の線維軟骨部と後上方2/3の靱帯部である.線維軟骨部は薄い関節軟骨ででき波状で,動きは少ない.そして次のような特徴を持つ.1)軟骨間隙は均一である.2)骨皮質は均一に薄く,関節面で平行である.3)左右対称.4)局所的硬化,融合や融解はない.仙腸関節の軟骨部の幅は2.5〜4.0mmで,2mm以下で関節狭小となる1).靱帯部はV字型をしており,軟骨部に近い所で狭く,背側で広くなっている.また,1)均一に薄い骨皮質,2)左右対称,3)局所的硬化,融解や融合がない特徴を持つ1).仙棘靱帯と仙結節靱帯はともに仙骨と坐骨を結ぶが,仙棘靱帯は坐骨孔を頭側の大きな孔と尾側の小さい孔に分ける.
掲載誌情報