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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科44巻12号

1990年12月発行

文献概要

症例

増大傾向を示した副腎嚢腫

著者: 鈴木誠1 簑和田滋1 篠原充1 武内巧1 阿曽佳郎1 八代直文2

所属機関: 1東京大学医学部泌尿器科字教室 2東京大学医学部放射線科

ページ範囲:P.1071 - P.1073

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 33歳の男性が上腹部痛を主訴に受診.CTを施行したところ,左副腎部に27×19mm,19×16mmの石灰化のある2個の腫瘤が発見された.尿中17—OHCS,血中DHEA-sの軽度の上昇以外には内分泌学的異常を認めなかった.このためCTで定期的に経過観察とした.その後腫瘍は増大傾向を認め,4年後のCTでは35×27mmになり,T1強調画像で低信号に描出され,T2強調画像で著しい高信号を呈した.左副腎摘出術が行われ,腫瘤は正常副腎に囲まれた大小2個の嚢胞と判明した.それぞれが多胞性であり,大きい方の嚢胞液は血性で小さい方は漿液性であった.嚢胞内容液のホルモン活性(アルドステロン,コルチゾル,DHEA-s)は患者の血漿と比較しても非常に高いものであった.病理学的には多胞性嚢胞性リンパ管腫であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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