icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科44巻3号

1990年03月発行

症例

胸腔内尿貯留を伴った悪性リンパ腫

著者: 入澤千晴1 山口脩1 白岩康夫1 熊佳伸2

所属機関: 1福島県立医科大学泌尿器科学講座 2公立相馬総合病院泌尿器科

ページ範囲:P.257 - P.260

文献概要

 症例は56歳,男子。左側腹部痛の精査中,左腎腫瘍を疑われ入院した。入院後左胸水を認めたため胸腔穿刺を行ったところ尿が得られた。静脈性腎盂造影,逆行性腎盂造影,CT検査より,後腹膜腔腫瘍のため尿管狭窄,腎盂破裂をきたし,更に腎盂外に溢流した尿が胸膜腔に浸潤し胸腔内尿貯留を形成したと判断した。疼痛軽減のため,先ず腎周囲のドレナージをおこなったところ胸腔内の尿が消失した。全身状態の改善を待って腫瘍摘出術を施行した。腫瘍は左腎門部下方より出て尿管を巻き込み腎下極に浸潤していた。さらに空腸部腸間膜,膵尾部にも腫瘍を認めた。病理学的にはB細胞型非ホジキンリンパ腫,LSG分類上び漫性大細胞型であった。胸腔内尿貯留を形成したという報告は少なく本邦では本例が3例目である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら