文献詳細
綜説
文献概要
はじめに
プロスタグランディン(PG)は,生体のほとんどの組織で細胞膜隣脂質からホスフォリパーゼの作用によって遊離するアラキドン酸を前駆体として生成され,生体の機能を調節している。これは局所ホルモン的にその産生周辺で多彩な生理作用を営んでいるためオータコイドのひとつと考えられている。PGの前駆体であるアラキドン酸はリポキシゲナーゼによりPGG2,PGH2を経てPGE2やPGF2α,PGI2(プロスタサイクリン),TXA2(トロンボキサンA2)などになる。これらの中で尿路系の調節に重要な役割を果たしているのはPGE系とPGF系と考えられている1,2)。
本稿では主として尿路平滑筋に対するPGの薬理作用について述べる。
プロスタグランディン(PG)は,生体のほとんどの組織で細胞膜隣脂質からホスフォリパーゼの作用によって遊離するアラキドン酸を前駆体として生成され,生体の機能を調節している。これは局所ホルモン的にその産生周辺で多彩な生理作用を営んでいるためオータコイドのひとつと考えられている。PGの前駆体であるアラキドン酸はリポキシゲナーゼによりPGG2,PGH2を経てPGE2やPGF2α,PGI2(プロスタサイクリン),TXA2(トロンボキサンA2)などになる。これらの中で尿路系の調節に重要な役割を果たしているのはPGE系とPGF系と考えられている1,2)。
本稿では主として尿路平滑筋に対するPGの薬理作用について述べる。
掲載誌情報