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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科44巻7号

1990年07月発行

手術手技 難しい手術

結石性膿腎症—単純腎摘除術と被膜下腎摘除術

著者: 有吉朝美1

所属機関: 1福岡大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.579 - P.584

文献概要

 結石性膿腎症でも腎機能がまだ保存されていれば,経皮的腎痩カテーテルと抗菌剤とで急性期を切り抜け,二次的に結石の除去と腎の保存とを行うべきである.しかし膿腎症では一般に腎機能障害が著しく,50%以上の症例で無機能腎となっている.また,腎保存手術を予定しても,腎周囲の癒着が著しいため,やむをえず腎を摘出することが多い.対側腎が健全であれば,結石性膿腎症に決着をつける意味で腎摘除術はよい適応となる.本稿では基本的な単純腎摘除術および変法としての被膜下腎摘除術について述べる.腎の癒着が著しいと,1)剥離困難,2)隣接臓器損傷,3)大出血,4)腹腔感染などが問題点となるが,被膜下腎摘除術はこれらを回避する方法である.腎摘除術では,腎茎血管の処置がすべてと言ってよいので,いくつかの手技を紹介するが,膿腎症では型通りにはいかないので,臨機応変に対応する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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