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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科44巻8号

1990年08月発行

文献概要

交見室

超音波スクリーニングにて発見された小さな褐色細胞腫を読んで,他

著者: 中田瑛浩1

所属機関: 1山形大学

ページ範囲:P.740 - P.743

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 本誌44巻2号に掲載された標記論文を拝読致しました.褐色細胞腫は一般に大きく,内部に壊死組織や嚢胞を含むとその腫瘍画像も一様でなく,辺縁には時に石灰化をきたすことがよく知られています.高血圧も発作性であれ持続性であれ,しばしばみられる症状です.しかし,成長が早く腫大しやすい褐色細胞腫にも小さな時期は必ずあるはずですし,悪性も10%前後ありますから小腫瘤のうちに発見して,外科的摘除をはかるのが理想的です.水関先生らは実に見事に早期発見を行われ,治療されました.成功の原因は丹念に超音波検査を行われたことにあると思います.
 本疾患について最近,興味ある報告がなされています.すなわち,①無症候性である症例が意外に多く,日本内分泌外科学会の全国集計では,無症候性副腎腫瘍の第1位がなんと褐色細胞腫であったこと,②注意深く観察すれば,小さなmassとして20%が発見されること(Yeh HC:Seminars inRentogenol 23:250-258,1988),③MRIでT2強調像で高信号であること,④カテコールアミンの測定は24時間尿で行えば,血中レベルで測定するよりも高頻度に陽性所見が得られること,⑤糖負荷試験は術後早期に(2週間以内)正常化することが多い,などでありましょう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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