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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科44巻9号

1990年09月発行

手術手技 難しい手術

直腸浸潤を伴う膀胱癌—骨盤内臓器全摘術

著者: 長久保一朗1 白木良一1 藤岡俊夫1 斉藤史郎1 花井俊典1 月脚靖彦1

所属機関: 1立川共済病院泌尿器科

ページ範囲:P.763 - P.769

文献概要

 泌尿器科領域において,膀胱癌が直腸等の隣接臓器に浸潤することは比較的稀である.反対に子宮癌や直腸,S状結腸癌が膀胱に浸潤する場合の方がしばしば見られる1).特に女性の場合は膀胱と子宮の間には腟が介在しており,直腸に膀胱癌が浸潤するには,腫瘍の進行速度が早いか,腫瘍がかなり大きくなって浸潤するか,子宮癌術後の再発以外にあり得ない.また,直腸癌の場合は前立腺と精嚢腺が介在しており,膀胱に浸潤する場合は比較的少ない.S状結腸の癌が膀胱に浸潤する場合は浸潤部位が膀胱の頂部に近いこと,腫瘍が腺癌であることより,よほど広範囲でない限り,S状結腸の切除と膀胱部分切除のみで手術を終了することができる.我々は膀胱癌が直腸に浸潤した場合には,癌が遠隔転移のないかぎり骨盤内臓器全摘術を施行している.当立川共済病院では1973年6月より1990年6月までに64例の骨盤内臓器全摘術pelvic exenterationを施行した.そのうち膀胱および尿道の癌は13例であった.骨盤内臓器全摘術の手術法を中心に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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