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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科45巻1号

1991年01月発行

文献概要

講座 X線解剖学・10

前腹壁,背部の筋

著者: 石井千佳子1 多田信平1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学放射線医学

ページ範囲:P.21 - P.23

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腹壁の筋
 前腹壁中央には白線linea albaが剣状突起から恥骨結合上縁までのびる.その両側に腹直筋rectus abdominis muscleが平行に走る.腹直筋の両側腹には三層の筋が内側から外側に並ぶ.一番外側は外腹斜筋external oblique muscle,中央が内腹斜筋internal oblique muscleで,最内側が腹横筋transversus muscleである.腹横筋の内側には腹横筋膜transversalis fasciaがある(図1)1).中央にある白線のため,通常は左右どちらかにある腹壁の病変は対側には及ばない(図1)1)
 弓状線arcuate lineは内腹斜筋の腱膜のうち,その後葉が臍の下約5cmの所で下方に凹む線で終わる部分をいう.三層の筋の腱または腱膜は腹直筋を鞘状につつむが,後葉と前葉からなる腹直筋鞘は弓状線の上と下で異なる.弓状線の上方では外腹斜筋の腱膜は前面に,内腹斜筋の腱膜は腹直筋の外側で二葉となり,うち前葉は腹直筋の前面を覆い,後葉は後面を覆う.後面にはさらに腹横筋の腱膜が加わるので腹直筋鞘の前面と後面との強さは同様である.弓状線の下方では,三層の筋の腱膜はすべて腹直筋の前面を覆い,後面には腹横筋膜が覆うのみである.外腹斜筋と皮膚の間には脂肪層である外側のCamper's fasciaと線維層である内層のScarpa's fasciaがある1,2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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