文献詳細
手術手技 剥離・展開法・3
文献概要
骨盤内尿管への到達法は,本誌4月号に述べられているごとく,腹膜外的あるいは経腹膜的方法があり,目的とする手術とその状況に応じて使い分けられている.内視鏡手術の進歩で,特に下部(骨盤内)尿管は手術的アプローチが限られたもののみになりつつあるとはいえ,腎盂尿管腫瘍の場合の腎尿管摘出術や,下部尿管腫瘍の摘出,原因不明の尿管狭窄に対する生検,部分切除,巨大拡張尿管など先天異常に対する形成術,尿管損傷に対する尿管尿管吻合,対側尿管への尿管吻合,尿管膀胱再吻合など適応はなお多く存在している.そのほとんどは腹膜外的に処置可能であるが,広汎子宮摘除後の尿管狭窄や尿管腟瘻など後腹膜の癒着が強くオリエンテーションがつけにくいものでは経腹膜的アプローチの方が良い場合もある.手術に際しては骨盤内尿管の解剖,特に周囲組織との関係を熟知しておく必要がある.今回は尿管の剥離・展開に際してのチェックポイントを中心に述べる.
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