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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科45巻3号

1991年03月発行

綜説

泌尿器科医のための出生前診断と治療

著者: 小林秀樹1

所属機関: 1国立循環器病センター周産期治療科

ページ範囲:P.189 - P.196

文献概要

 周産期に医療の対象となる胎児・新生児の腎・泌尿器系疾患は先天的形態異常や新生物のみならず分娩中・早期新生児期の仮死や虚血による腎病変,あるいは稀に先天性の腎盂腎炎や先天性ネフローゼ症候群もあるが,胎児期に子宮内治療の対象となる腎・泌尿器疾患は主に尿路閉鎖による水腎症・水尿管症,あるいは巨大膀胱症を伴う羊水過小症・無羊水症である.両側の水腎症を放置すれば胎児の腎機能は廃絶し,二次性の無羊水症が胎児肺の低形成を惹起することはよく知られている.このような胎児の腎や肺の不可逆的な変性を回避するためには胎齢のできるだけ早い時期に胎児診断がなされ,時機を失しない治療的アプローチが必要となる.患者としての胎児fetus as a patient,このような考え方のもとで各疾患の胎児期から新生児期を通じて,正しく病態の把握がなされれば,おのずと治療法・治療時期や分娩至適時期の決定などが正しくなされると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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