文献詳細
講座 X線解剖学・12
文献概要
腸腰筋
腸腰筋iliopsoas musclesは腸骨筋,大腰筋,小腰筋の3つの筋により構成される。腸骨筋は腸骨翼より起こり大腿骨の小転子に付く.大腰筋の浅頭は第12胸椎から第4腰椎と肋骨突起から起こり,深頭は腰椎の肋骨突起より起こる.両頭は合して大腿骨小転子につく.小腰筋は第12胸椎と第1腰椎の椎体外側面より起こり,腸骨筋膜に分散し腸恥隆起にゆくが,50%で欠如する.腸腰筋の筋膜は腹横筋膜transversalis fasciaに続いている.腹横筋膜は後腹膜腔の後方の境なので,厳密には後腹膜腔ではない.しかし後腹膜腔とそこに含まれる臓器(腎,副腎,尿管,リンパ節,膵や後腹膜腔の消化管など)と密接なつながりがある.例えば大腰筋は腎周囲間隙と後労腎間隙と接しており,腎疾患の波及を受けやすい1〜3).
MRIでは横断面でも冠状断でも腸腰筋は周囲の脂肪でよく境されて描出する(図1).CTでの横断面でも明瞭である(図1).
腸腰筋iliopsoas musclesは腸骨筋,大腰筋,小腰筋の3つの筋により構成される。腸骨筋は腸骨翼より起こり大腿骨の小転子に付く.大腰筋の浅頭は第12胸椎から第4腰椎と肋骨突起から起こり,深頭は腰椎の肋骨突起より起こる.両頭は合して大腿骨小転子につく.小腰筋は第12胸椎と第1腰椎の椎体外側面より起こり,腸骨筋膜に分散し腸恥隆起にゆくが,50%で欠如する.腸腰筋の筋膜は腹横筋膜transversalis fasciaに続いている.腹横筋膜は後腹膜腔の後方の境なので,厳密には後腹膜腔ではない.しかし後腹膜腔とそこに含まれる臓器(腎,副腎,尿管,リンパ節,膵や後腹膜腔の消化管など)と密接なつながりがある.例えば大腰筋は腎周囲間隙と後労腎間隙と接しており,腎疾患の波及を受けやすい1〜3).
MRIでは横断面でも冠状断でも腸腰筋は周囲の脂肪でよく境されて描出する(図1).CTでの横断面でも明瞭である(図1).
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