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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科45巻3号

1991年03月発行

原著

膀胱癌の動注併用一時的阻血療法

著者: 村橋勲1 細谷吉克1 迎圭一郎1 神部清彦1 本田幹彦1 高崎悦司1

所属機関: 1獨協医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.213 - P.218

文献概要

 膀胱癌37例について内腸骨動脈の血流を一時的に48ないし120時間遮断するという阻血療法を施行した.37例中36例は阻血療法後手術療法を追加施行した.1例は阻血療法のみで完全に腫瘍は治癒した.阻血療法にて末梢血のリンパ球が一時的に低下する例が見られたが,これは阻血療法にてリンパ球が腫瘍内に集合するためと推察された.一部の例では阻血療法前後に膀胱腫瘍の生検を施行した.そして腫瘍内および間質にリンパ球が集合することを観察した.しかし,リンパ球のサブセットの検索では特定のリンパ球が集合するのではなくすべてのリンパ球が集合するのが観察された.これらの結果から,阻血療法の治癒の過程にT細胞が関与していると推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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