臨床泌尿器科45巻4号

1991年04月発行

特集 泌尿器系疾患の和漢薬治療 Ⅱ．病態別和漢薬の選び方，使い方

2　尿管結石症

著者： 小寺重行¹

所属機関： ¹東京慈恵会医科大学柏病院泌尿器科

ページ範囲：P.287 - P.290

はじめに
　近年，尿路結石の治療方法は大きく変革し，その手術方法は定型化されつつある．そして，手術成績も向上し，高い臨床的評価を達成してきている．しかし，尿路結石のうち，尿管結石の治療については，いまだ，保存的治療が行われることが多い．われわれは，日頃，尿管結石症に対し排石促進および疼痛軽減の目的で，和漢薬として猪苓湯と芍薬甘草湯の併用内服治療を行っている．今回，これらの和漢薬の有効性について排石期間と鎖痛効果について検討を行ったので報告するとともに，その他の和漢薬の適応と問題点について若干の考察をくわえる．