文献詳細
特集 泌尿器系疾患の和漢薬治療
Ⅱ.病態別和漢薬の選び方,使い方
文献概要
はじめに
最近の漢方製剤の各種分野への応用には目をみはらされるものがある.泌尿器科領域についても例外ではなく,今回の特集に見られるように,当領域の多数の疾患についてその効果が検討されているようである.しかしながら,西洋医学と中医学の結合が言われてから久しくなるにも関わらず,我々がやはり感ずる障害は,その独自の診断手順と漢方製剤の持つ奥の深さではないかと思われる.更にその世界の中に西洋医学の解析的手法を持ちこむことは,中医学の根本に関わる問題と考えられるが,科学としての医学を学んできた我々にとり,この過程は必要かつ不可欠である.
我々は,これまで漢方剤の各方面での臨床効果を検討してきた.今回,与えられた課題として,蛋白尿,血尿それらに関係する腎炎に対する効果ならびに腎下垂に対する効果について,文献的考察を交えながら,私見を述べたい.
最近の漢方製剤の各種分野への応用には目をみはらされるものがある.泌尿器科領域についても例外ではなく,今回の特集に見られるように,当領域の多数の疾患についてその効果が検討されているようである.しかしながら,西洋医学と中医学の結合が言われてから久しくなるにも関わらず,我々がやはり感ずる障害は,その独自の診断手順と漢方製剤の持つ奥の深さではないかと思われる.更にその世界の中に西洋医学の解析的手法を持ちこむことは,中医学の根本に関わる問題と考えられるが,科学としての医学を学んできた我々にとり,この過程は必要かつ不可欠である.
我々は,これまで漢方剤の各方面での臨床効果を検討してきた.今回,与えられた課題として,蛋白尿,血尿それらに関係する腎炎に対する効果ならびに腎下垂に対する効果について,文献的考察を交えながら,私見を述べたい.
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