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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科45巻4号

1991年04月発行

小さな工夫

尿潜血反応試験紙を用いた逆行性射精発見の工夫

著者: 原啓1 三浦一陽1

所属機関: 1東邦大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.352 - P.352

文献概要

 尿潜血反応試験紙の反応原理はヘモグロビンのペルオキシダーゼ様作用を利用しており,赤血球に特異的に反応するものではない.したがって,ペルオキシダーゼ様作用を持つ物質であれば赤血球が存在しなくても反応することになる.すでに我々は精液に本試験紙が強陽性に反応することを報告1)している.その後の検討で精子には関係なく,精漿に反応していることがわかった.そこで本反応を利用した簡便な検査を報告するとともに,尿潜血反応試験紙の問題点を提起する.
 さて逆行性射精の多くは,オルガスムスはあるが射精がない,いわゆる乾性射精と呼ばれているもので,男性不妊症の診断として重要である.本疾患の診断はマスタベーション後の尿の遠沈により精子の有無を判定することにより行われているが,放射線照射や化学療法剤の投与などによる無精子症の場合には簡単に診断がつかず,尿中果糖やアミノ酸分析等で判断されているのが現状である.そこで尿中に赤血球のないことを確認した患者のマスタベージョン後の尿に本試験紙を浸し,強陽性であれば精液が混入していることが簡単にわかり,かつ経済的である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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