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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科45巻9号

1991年08月発行

手術手技 剥離・展開法・2

副腎

著者: 畠亮1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.651 - P.655

文献概要

 到達法によって副腎の解剖学的位置関係はかわっても,その剥離・展開法に大差はない.要は十分な視野を得て,多数の細かい血管束を丹念に処理することである.ここではCUSAを用いた肋骨弓下横切開・経腹膜的到達法の実例をもって,副腎の剥離・展開法を紹介する.
 この方法は,①広い視野が得られるため安全確実に手術できる,②適応範囲が広い,③両側の副腎を同時に見ることができる,などの利点がある反面,①腹膜を切開することによる合併症,②解剖学的に最も近いルートが後方到達法であるのに反して,本法では最も遠い前方から到達しなければならないなどの欠点が指摘される.しかし,第一の欠点に関してわれわれの経験では,術後の合併症が他の到達法に較べて多いということはない.第二の欠点に関しては,遠いところからアプローチする必要上,直接副腎をめざすのではなく,周辺の臓器を1つずつ剥離露出しながら進むので,結果的にこれら重要臓器を損傷する危険が減ることになり,むしろ長所へ転換できると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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